小谷村移住なび|コラム

『住んでいるけど、暮らせていない』その思いの先にあるもの| 移住者インタビュー 由井義仲さん・千尋さん

神奈川県出身の義仲さんと富山県出身の千尋さんは、小谷村大網地区にある O B S(日本アウトワード・バウンド協会長野校)の指導者養成コースを受講したことをきっかけに小谷村へ移住してきました。「移住した」というよりは、縁があって「居着いている感じ」と話されるお二人ですが、小谷村に移住して10年以上が経った今、どんなふうに暮らし、どのようなことを感じているのでしょうか。

現在、お二人は土谷地区で「白月」というカフェを経営されています。もともと栃木県でお菓子作りの仕事をしていた千尋さんが、今までの経験を活かせる仕事をと考え、カフェをオープンすることに決めたのが 2020年10月頃のこと。住んでいた大網地区で場所を探していましたが、空いているけど借りられなかったり、売ってもらえなかったりする家がほとんどだったそう。そんな中、知り合いから土谷地区の物件の話をもらい、見に行って即決で決めたという千尋さん、「動き出したい!という気持ちが高まっていて、相談すると止まっちゃうと思ったので、即決で決めました」と当時の気持ちを振り返ります。

そんな千尋さんの様子を近くで見ていた義仲さんは「決して栄えている場所ではないので、一般論で言えば大丈夫?と思う方の方が多いかもしれない。でも、今こうしてカフェを続けられているわけで…。何かを始めるときは、そういった勢いも大事なのだと彼女を見ていて感じた」と話してくれました。

カフェ経営も順調に進んでいる様子の由井さんご夫妻ですが、「お店のことばかり考えてしまって、小谷村に住んではいるけど、暮らせていないなと感じる」と今の正直な気持ちを話してれました。

お店とのバランスをうまく取りつつ、小谷村で “暮らす” こと、自分自身で仕事を作っていくこと、思い描く未来を話して下さった由井さんご夫妻。そんな思いの中で、今後さらに素敵な空間が生まれるのかもしれません。

(取材・撮影・執筆:横川あきな)

戻る
UP DOWN